CGを交えたムービー撮影って何?CG×ムービー撮影の現場

ヘアメイクのお仕事

先日、とてもおもしろい撮影に参加させていただきました。

それは、CGを交えたイメージムービーの撮影です。普段のスチール撮影とは異なり、ムービー撮影には独自の難しさや気をつけるべきポイントがあります。

ムービー撮影とスチール撮影の違い

スチール撮影では、一瞬を切り取るため、シャッターが切られる直前にヘアメイクやスタイリングの最終調整が可能です。撮影のたびに細かい修正を入れ、ベストな状態を作り上げることができます。

一方でムービー撮影では、撮影が始まるとシーンが終わるまで直しに入ることができません。そのため、モデルさんが動いたり、演技をしても崩れず、かつ、多少乱れても自然に見えるようなヘアメイクやスタイリングを考える必要があります。作り込みすぎると不自然になり、逆に作り込まなさすぎると画面上での存在感が薄れてしまうため、そのバランスを見極めることが重要です。

また、スチール撮影では一枚の画を作り込むことに重点を置きますが、ムービー撮影では動きがある分、ヘアメイクの変化も連続性を持って考えなければなりません。例えば、カメラのアングルや光の当たり方によって、メイクの濃さや髪の動き方が変わることもあるので、撮影中にどのように見えるのかを想定しながら調整を行います。

ムービー撮影では“崩れない”だけでなく、“崩れても美しい”ヘアメイクがポイントです

CGを交えた撮影の難しさ

今回の撮影は、さらにCGを組み合わせるという特別な条件がありました。CG撮影では、モデルさんの動きや立ち位置が非常に重要になります。少しのズレでも、最終的な映像で不自然に見えてしまうことがあります。そのため、撮影の前には入念に動きを確認し、何度もテストを重ねました。

特に今回の撮影では、バックがすべてグリーンの状態で行われました。つまり、背景がない状態で撮影し、後からCGで背景を合成するのです。実際には何もない空間の中で、まるで目の前にあるかのように演技をするのは、モデルさんにとっても非常に難しいことだったと思います。

現場では、カメラのモニターを確認しながら、実際の映像がどのように仕上がるのかをチェックしました。グリーンバックの中では、ただの空間に見えていたものが、映像の中では美しい背景と組み合わさり、まるで異世界にいるような雰囲気を醸し出していました。その不思議な光景に、思わず感動してしまいました。

何もない場所が、あとから素敵な世界に変わるのを見ると、本当に不思議で感動します

撮影の工夫と学び

撮影現場では、ヘアメイクや衣装の乱れを最小限にする工夫が求められます。例えば、髪の毛が風で動きすぎると、後からCGと合成した際に不自然に見えることがあるため、適度に固定する必要があります。また、衣装もCGとの馴染み方を考慮し、色の反射や素材感に気をつけなければなりません。

このように、撮影にはさまざまな要素が絡み合い、一つひとつの細かい調整が映像全体のクオリティを左右します。スチール撮影とムービー撮影、さらにCGを交えた撮影と、それぞれに異なる難しさと工夫があり、毎回新しい発見があります。

撮影と一言で言っても、シチュエーションや求められる表現によって大きく異なります。今回の経験を通して、また一つ新たな視点を得ることができました。日々勉強ですね!

次回のコラムもどうぞお楽しみに!

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