私は、少し前からファッション撮影の現場にアシスタントとして後輩を連れて行っています。ヘアメイクの仕事を志す若い彼女も、いよいよ1人で撮影に行く日が近づいてきました。最初の頃は、緊張のあまり体が固くなってしまったり、私に「本当に私にできるんでしょうか?」と何度も確認してきたりしていました。そんな彼女も、今では1人で撮影を回せるまでに成長し、とても頼もしくなりました。
後輩の成長と初めての現場経験
誰でも最初は不安や緊張でいっぱいですよね。特に現場の雰囲気や流れを初めて体験する時は、目の前のことだけで精一杯で、周りの動きまで把握する余裕がないものです。実際、私自身も初めてヘアメイクの現場に立ったときは、何をどうしたらいいのか分からず、ただ指示を待つばかりでした。しかし、『現場慣れ』という言葉があるように、経験を重ねていくことで少しずつ周囲が見えるようになり、自分がどのように動くべきかが自然と分かってくるものです。
現場での経験が後輩を成長させた瞬間
彼女も例外ではありません。私と一緒にさまざまな現場に足を運び、そこで初めて出会うスタッフや独特の雰囲気を一つひとつ吸収していきました。現場の進行は時にスピーディーで、失敗が許されない緊張感もありますが、だからこそ現場での学びはとても大きなものです。あるときから、彼女が「少しできるかも」と感じ始めたのが分かりました。それは表情や姿勢、動きから伝わってきて、私自身も「もうこの子は大丈夫だな」と思える瞬間がありました。
その後、彼女はどんどん自信をつけていき、周囲を見る余裕が生まれ、何が求められているのかを判断できるようになりました。以前は私が細かい点までフォローしていましたが、今ではそんな必要がなくなり、彼女自身が現場を引っ張る場面さえあります。成長を目の当たりにするのは本当に嬉しいものです。
ヘアメイクを目指す人へのメッセージ
ここで、このコラムを読んでいる皆さん、特にこれからヘアメイクアーティストを目指している方にもぜひお伝えしたいことがあります。最初はどんなに準備をしても現場に入った途端、頭が真っ白になってしまうこともあるでしょう。周囲の動きが全然分からなくて、何もできない自分に落ち込むこともあるかもしれません。でも、それは誰もが通る道です。むしろ、そうした失敗や戸惑いこそが、次への成長の種になります。
経験を重ねるうちに、現場で求められる役割や動きが徐々に見えてきます。そして、自分がどのタイミングでどう動けば現場がスムーズに進むのか、自信を持って行動できるようになります。そのためにも、最初はどんな小さな仕事でも積極的に取り組み、さまざまな現場を体験することが大切です。1回1回の現場で得られる学びを大切にし、自分なりに振り返りを重ねていけば、必ず成長を実感できる日が来るはずです。
これからヘアメイクを目指す方も、失敗を恐れず、ぜひいろいろな現場に飛び込んでみてください。最初は上手くいかないことがあっても、それが成長への大きなステップになります。
次回のコラムも、皆さんのお役に立てる内容をお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに!
コメント