ショーの舞台裏：華やかさを支えるヘアメイクの秘密

今回は、ショーの舞台裏についてお話ししたいと思います。ショーと言えば、華やかで可愛らしいモデルさんが次々と登場し、あっという間に終わってしまうイメージが強いと思いますが、実際にはショーを支えるスタッフたちは、朝から晩まで大忙しです。ショーが一瞬で終わるように見える裏には、膨大な準備と緻密な計画が隠れています。

ショー準備のスタート：朝から始まる舞台裏

まず、ショーの準備が始まるのは、当日の朝からです。モデルさんたちは、場当たりと呼ばれる最初のリハーサルを行います。場当たりでは、モデルさんたちがランウェイをどのように歩くか、衣装の着こなしや動きの確認を行い、スタッフと一緒に演出の調整をします。その後、モデルさんが着る衣装やヘッドアクセサリーを最終チェックし、どの順番で衣装のチェンジを行うのかを確認します。

また、ショーのスムーズな進行のために、どれくらいの時間で衣装チェンジを完了させるか、またランウェイを歩く時間の調整も重要です。これらの準備を経て、ヘアメイクの最終仕上げが行われます。

ヘアメイクでは、モデルさんたちの髪型やメイクを、ショーのテーマや衣装に合わせて整えます。この段階では、モデルさんたち一人一人の個性を活かしつつ、ショー全体の統一感を出すことが求められます。髪のボリュームやメイクの色味、アクセサリーとの調和を確認し、最終的にショーがスタートできる準備が整います。

本番が始まる：時間との戦いが始まる瞬間

ショーが始まると、いよいよ本番です。幕が上がると、ヘアメイクスタッフにとっては、あっという間に時間が過ぎていきます。モデルさんたちがランウェイを歩き終えると、すぐに戻ってきて次のチェンジが必要です。その間に、髪の毛のボリュームを整えたり、リップの色を変更したり、ヘッドアクセサリーを付け直したりと、時間との戦いが始まります。

ショーの進行に合わせて、次々とモデルさんをランウェイに送り出さなければならないので、スタッフはまさに秒刻みで動いています。ヘアメイクのチェンジにかけられる時間はほぼないため、どんどんモデルさんたちが戻ってきて次に送り出す準備をしなくてはならず、常にスピードと正確さが求められます。

ショーが終わる頃には、スタッフもほっと一息つく暇もなく、あっという間に幕が降りていきます。それでも、その一瞬一瞬が、すべての努力と汗が詰まった成果だと感じる瞬間です。ショーの醍醐味は、その一瞬を作り上げるために、何十人ものスタッフが入念に打ち合わせをし、協力し合って最高のパフォーマンスを提供するところにあります。この一体感や達成感は、実際に体験した者にしかわからない、言葉では表現しきれないほどの喜びです。

技術職の醍醐味：自己改善と成長の毎日

ショーを終えた後も、次のステップに進むために自己改善を重ねることができるのは、技術職ならではの醍醐味です。毎日のように新しい挑戦をし、成長し続けることができるのは、大きな魅力の一つだと思います。

ヘアメイクは、ただ単に見た目を整える仕事ではなく、その背景にあるストーリーやテーマを表現する重要な役割を担っています。ショーの舞台裏を支えるスタッフたちは、決して目立つことはありませんが、その努力と情熱がなければ、華やかなショーは成立しません。これからも、こうした現場での経験を活かし、さらに技術を高めていけるよう、日々精進していきたいと思っています。

次回のコラムも、どうぞよろしくお願いします。